僕 VS. 丁寧な暮らし
今回の命題
「普段やらないことをしようとするとそりゃやらかす。」
普段はだらしない暮らしを送る大雑把な人間のある日の日記です。
ここんとこは、テレワークもどきを続ける日々なんですが
ある日の昼の休憩時、気分転換にスーパーに来てボーッと考えていた。
ここしばらく、積み本が増えてしまっていたのと、
ゆっくり緑に囲まれてボーッとしたかったので夕方に家の近くにある大きな自然公園に行くことにした。
読書のお供に甘めのカフェオレでも飲みたいなぁなんて思って、
貰い物のコーヒーパックが余っていたことを思い出し、カフェオレを水筒に自作して持っていくすることにした。
それにパンなんて合わせるのもいいなと思い、そのまま、お気に入りの菓子パン「サンミー」が安くなってたので購入。
(クリームがチョコとケーキ生地に挟まれてて
3つの味(三味)が楽しめる菓子パン、うまい)
ウキウキ気分でテレワークもどきに戻り、
「これはいい夕方になるぞぉ…!」
「丁寧な暮らしデビューや…」
なんて思って作業に戻った。
今思えば、この時点で色々とやらかす気しかしないのだが全くそんなビジョンはその時の僕には全くない。
自分の鈍臭さなんて頭の片隅にもなかった。
テレワークもどきを終わらせて
ひとまず、カフェオレの準備からスタート。
順番は
コーヒーをパックからしっかり煮出して水筒に入れ
水筒に砂糖と牛乳を入れてシャカシャカして
甘めのカフェオレの完成!
完璧な計画だ…
まず、コーヒーの準備から
コップにかけてドリップする方式なので香りがいいらしい。
粉でなく、ドリップ式のコーヒー…実に丁寧な暮らしらしいじゃないか…!
ミシン目に沿ってパックを開けた時、事件が起きる。
パックの右端部分が破れ、豆が少し漏れかかってる。
粉砕された豆をドリップで煮出していく予定だったんだが、豆がパックの破れた右端部分からほんのりまろび出ちゃってる。
「これが内臓ならえらいことになるな」なんてぼんやり思いながら、なんとか右端部分から豆が漏れないようにお湯をかける。
慎重にやればきっと大丈夫、左端を信用してれば大丈夫…
お湯をかけること、一回、二回、いい感じだ、
このまま3回目のドリップが出来れば大丈夫…
そして、3回目
左端にお湯がかかり過ぎてテコの原理でコップ内に射出される豆
思わず、「あっ!」って声が出た。
「人間驚いた時なんて誰でも同じリアクションしか出来ないんだな」,「うわぁ、これどうすっかな…」なんて状況のわりにのんびりした言葉が頭を逡巡する。
(不器用でやらかすことが多い人間は、被害が自己責任でなんとかなるミスの場合、慣れたもんなので反応がズレるし、わりと冷静なままである)
ひとまず、水筒にカップの中を漂っている必要以上に煮出されたコーヒー豆を茶越しで受け止めつつ注ぐ作戦に変更。
なに、カップから水筒に注ぐのは決定事項だったので茶越しの洗い物が増える程度なので気にすることもない。
大丈夫、大丈夫。
そんなこんなで、コーヒーを水筒に入れ、次の段階へ。
蜂蜜とミルクをカフェオレに入れる作業だ。
蜂蜜カフェオレなんて実に丁寧な暮らしらしくていいじゃないか。
シンプルに砂糖を入れるより風味がついて優しい甘さが出てそこもいい。
手順は、
1.蜂蜜を水筒に入れ、まだあったかいコーヒーと水筒シェイクで混ぜ合わせて溶かす。
2.1に牛乳を注ぎシェイク、味見しつつ調整
ミスなんて起こるはずがない。
でも、僕はここでもミスを犯した。
蜂蜜を入れすぎた
シンプルだが取り返しのつかないタイプのミスである。
蜂蜜の一射目でドバッ!て音が聞こえた時にはもう遅かった。
水筒なので取り出すことも出来ない。
やり直しなんてきかない、振り返らず走り続けるしかないのだ。(その未来は今感)
恐る恐る味見したコーヒーもどきはデスノートでLが飲んだ角砂糖、コーヒー風味を思い出させるほどの甘ったるさだった。
それでも僕らは戻れない…
戻れないのだ…
今度は加減を調整するために慎重に牛乳を入れていく。
入れる、味見、飲めたものではない
入れる、味見、まだ甘い
入れる、味見、まだまだ甘い
入れる、味見、ようやく飲めるようになった
その頃にはコーヒーの香りなんてとうに失われていて、
そこにあったのは牛乳の風味が8割のカフェオレもどきだった
5歳児がパパの仕事を労おうとして失敗しちゃったみたいな味だ。
5歳児のおっちょこちょいなら可愛げ補正もあって美味しく飲めるが、
25歳児のスットコドッコイがやったミスだ。
そこには何もない。
自己責任だ、しっかり飲もう。
どうにかこうにか準備が完了し、水筒とパンを
スーパーのレジ袋に放り込み出発。
目指すは自転車で5分くらいの自然公園。
久々の公園での時間は心地良さそうだなぁなんて思いながらウキウキでサイクリング。
風もすっかり春を通り越して初夏の風になっていて心地いい。
桜並木だった道も若葉の碧に変わっている。
今くらいの時期が一番ちょうどよくて好きだなぁなんて思っていたら自然公園に到着。
ちょうどいい感じの木陰になっているベンチ見つけたので、そこでパンとカフェオレもどきを楽しみながら読書に更けることに決めた。
自転車のカゴから水筒とパンを降ろそうとした時。
カフェオレもどきが入った水筒がスーパー袋の中で破裂していた
原因は水筒のアホになっていたロックが外れていたこと。
ロックに謝れ。
今後、お前はロックなんて名乗んな。
一緒にはいってたサンミーはビシャビシャ。
水筒の中身は7割ほど袋の中で揺れていた。
戻すことも出来ないので近くの水道近くで排水溝に飲まれていった、南無三。
そのまま水道で、水筒の表面とサンミーの袋を洗って食べることに。
安売りされてたのと、洗われたことでサンミーの表面の湿気が4割増になっていた。
湿気のせいで、クシャっとなってブサイクになったサンミーは今の自分の表情と完全にシンクロしていた。
そんな気分で食べたサンミーはどこか味気無くて、味が一つ抜けてニミーくらいに感じた。
そうこうしてサンミーを食べ終え、そろそろ本でも読むかなぁ…とした時
近くのスピーカーから鳴り響く
自然公園の閉園のお知らせ
僕はまだ本を開いてすらいない。
この公園、時間が来たら閉園するなんてことも知らなかった…
計画的に行動したつもりが全部裏目に出てる…
このままじゃ、ただちょっと遠出してカフェオレもどきを溢しただけの人だ。
何か…何か為して帰るんだ…
なんでもいい…ただこのまま終わっちゃダメだ…
みたいな調査兵団とかテラフォーマーズの火星に行った船員みたいな気持ちになる。
なったけども現実は無情、そのタイミングで出来ることなんて何もなく普通に閉園されて公園を後にした。
ちょっと遠出でしてカフェオレもどきを溢した人の誕生である。
「丁寧な暮らしは僕には遠い…。」
少しだけ赤みがかった夕方の空を眺め、
カフェオレもどきでビジャビシャのビニール袋を公園入り口のゴミ箱に捨てながらそう思った。(ゴミ箱がここまで全然見つからなかった)
そういう訳で、丁寧な暮らしに憧れつつも
自分には遠いなぁなんて思ってまた大雑把に今日も生きている。
たぶん、そんなこんなで日々は過ぎて
今後、もし親になることがあったとしても、親がこんな感じなので子どももこうなる。
そういや、おかんもがんばってはいたが丁寧な暮らしとは無縁の大雑把な人だった。
脈々と受け継がれる大雑把ストロングスタイルである。
だが、僕は大雑把ストロングスタイルでも
丁寧な暮らしへの挑戦を続けていく。
いつの日かオシャレシティボーイに成れるように…
今日はここまでです。
微妙に長い文でしたがここまで読んでくださりありがとうございました。
ではまた。