チキンクリスプが好きだ。
デフレも大量消費も素直に万歳とは言えないし嫌いだけど、チキンクリスプを生み出してくれた部分には感謝してる。
ありがとう、デフレ、大量消費、できれば早く終わってくれ。
増税のせいで110円になったけどチキンクリスプが素晴らしいことは変わらない。
チキンクリスプなんて他人行儀なのはやめよう。
違う呼び方をしたい、そうだ、以降の文章ではチキンクリスプを愛を込めてこう呼ばせていただく。
チクやん と
竹馬の友のような存在だし、チキンとクリスプから取ってチクやん、チクやんでいこう。
チクやんの魅力は110円という己の枠組みの中を最大限に活かしきったそのしたたかな美味さだろう。
ざっくりとしたメインウェポンの揚げ物は親の仇のようにブラックペッパーが効いてる。
ちびっ子には苦手かもしれないが食品添加物や醸造用アルコールで麻痺しきった舌にはもうアイラビューベイブってな具合に絶妙な刺激。
そして、フ◯ミチキに代表するコンビニレジ横チキンのジュワーっと肉汁溢れる系とは一線を画したシットリと噛み切れつつノットジューシーな、どちらかというとナゲット系なそのボディが最高に好き。
ジューシー系でも、もちろん美味いだろうけどもチクやんはナゲット系じゃないとよくねぇ、チクやんの素朴さはナゲットっぽい感じだからこそ映える。
チクやんは愛しいほどに素朴だ。
ナゲット風チキン、レタス、ソース、バンズ
シンプルな四品目でコストを守りながら僕たちの側にいてくれる。
そんなチクやんのメインはチキンフライの部分でもありつつ、唯一無二のゴールデンコンビがいる。
それはソースだ。
マヨネーズベースでマスタードや香味が入ってる最高のソース、それがレタス、バンズ、チキンを全て合流させる、ハチ公だ。
チクやんにおけるソースは、バーガー界の待ち合わせ場所、ハチ公像なのだ。
そして、それが全での具材と調和しながら膨らませていく、素晴らしいソースだ。
だが、そのソース、皆さんは感じた事がないだろうか?
「少し足りない」と
ソースが大事なのは先述の文章で重々お分かりなはずだ。
ソースはバーガーにおける調停者だ。
彼らの存在を欠かしてバーガーは完成しない。
そんなソースには裏技がある。
「ソース多めで下さい」と会計時に言うと多めにソースを入れてもらえるのだ。
しかも、値段は変わらずだ。
ラーメン二郎のコールのようなものだと思っていただいて構わない。
僕は味濃いスキーなのでソース多めともちろん言う。
そんなソース多めのチクやんはどうなるか?
宇宙だ、インフィニットジャスティスだ。
(組織の寝返りを繰り返したアスランの機体がインフィニットジャスティスってのはまじで皮肉だと思う、
お前の正義はそんなに簡単に覆るのか、無限に裏切れるからインフィニットなのか)
口の中にほんのりと広がる脂の旨みとスパイシーかつ肉を噛み締めてると感じさせるチキン。
シャキシャキと躍るように食感と清涼感を生み出すレタス。
そして、それらを合致させながら添い遂げさせる神父のようなたっぷりソース。
マヨネーズ、ナゲット、バーガーなんて誰もが好きだ。
それらが全て調和する瞬間、なんて平和で美しい瞬間なんだ。
素晴らしい調和だ、これこそ平和だ。
これが110円で手に入るなんて狂ってる。
2枚の硬貨で我々はこの平和を手に入れることが出来る。
チクやん万歳、お前こそが平和だ。
そして、腹に調停と平和をくれる。
それほどにしっかりとボリューミーなのだ。
素晴らしい。
これほどまでに素晴らしい食べ物があっていいのか。
言い過ぎなどではなく、チクやんは本当に素晴らしいのだ。
この現代日本に於ける至宝だ。
この記事を読んで少しでもチクやんが食べたくなった方が居れば、是非ソース多めで食べて欲しい。
その調停と平和を感じながら空腹を満たして欲しい。
以上、僕からは以上だ。
明日の皆さんの昼飯がチクやん(チキンクリスプ)であることを祈る。
ここまで読んでいただきありがとうございます、ではまた。